こんにちは、虚空蔵です。
今日ご紹介するのは、カナダ軍のMKⅡジャケット。
実は、このMKⅡジャケット、手に入れるまでの期待感と、手に取った後の満足感のギャップがとても大きかった品なんです。
この1年で手に入れたものの中で、1番 期待感 < 満足感 だったかもしれません。
手に入れた時点で「あれ?思ったより、これ良くない?」
着用してみて「あ?これ、マジで良くない?」
といった感じで、印象度レベルアップ!付き合うほどにいいところが見えてくるタイプの相棒です!
それでは、紹介いってみましょう!
■ MKⅡジャケットは、希少な魅力が満載のジャケット!
今日ご紹介するのは、カナダ軍の MKⅡジャケット です。
ね、何か雰囲気あるでしょ?
カナダ軍のアイテム自体が、結構珍しいですよね。
アメリカ軍と比べても、軍隊の規模のこともあるのでしょう、球数としてはあまり頻繁にみることはありません。
しかし、カナダ軍についてよくご存じの皆さんにおいては、
ECWCSモッズコート
NAVYデッキジャケット
カナダ版のN-3Bジャケット・・・ などが、カナダ軍のアイテムの中でも比較的人気があります。
■ うちの、カナダ軍MKⅡジャケットは・・・
うちにある、カナダ軍MKⅡジャケットは、
- 1990年製
- サイズ:7038(NATOSIZE:7080-8595)
- CONFECTION FRONTENAC INC 製造
という1着です。
年代が入っている軍モノは多いですが、製造月まで入っているモノは、珍しい。
7038 サイズは、
- 肩幅:44cm
- 身幅:55cm
- 袖丈:60cm
- 着丈:77cm
こんなサイズ感ですね。
そもそも、7038って何?ですが。
インチ表示で、70は身長、38が胸囲を示しています。
なので、ざっくり、身長175㎝・胸囲95㎝の方向け、ということになります。
また、NATO-SISEが、7080-8595 ってことは、
身長170~180cm ・ 胸囲85~95cm での着用想定だということで、軍モノにしてはちょっと細身のタイプではないでしょうか?
私にはちょうど良いサイズです。
こちらのジャケットの正式名称は、
COAT,COMBAT,LIGHTWEIGHT,MKⅡ
です。
正式名称の、最後のMKⅡだけを使って、日本では【MKⅡジャケット】と呼ばれていることが多いようですね。
ライトウェイトと入っている通り、非常に生地が薄く軽いジャケットです。
アメリカ軍のジャングルファティーグジャケットの進化版、といった雰囲気。
このライトウェイトの生地感が、こいつの魅力の一つであることは間違いない!
2枚目のラベルは、腰の内側あたりについているラベルで、
使用上の注意が記載されていますが、2か国語表記になっていたりするのもカナダ軍らしいポイントですね。
こちらのMKⅡジャケットは、たまたまSNS上で見かけて手に入れたモノです。
画面上では、ディテールがほとんど分からなくて、「まあ、安いからいいか・・・。」程度の気持ちで手に入れました。「カナダ軍のアイテム持ってないし・・・」ってな感じで。
ところが・・・。
画面上では気づけなかった魅力が、でるわでるわ!
手に入れて初めてわかる魅力が満載でした。
着用するたびに、改めて、「ああ!よく工夫されてる。」と、逐一感心してしまうジャケットです。
詳細パーツについて、この後ご紹介しますので、ぜひご覧ください!
最初、ナニコレ? だったのが → 欲しい! に変わるんじゃないかなぁ。
■ シボ感のある生地が、MKⅡジャケットの良いところ!
カナダ軍MKⅡジャケット のパーツは?
さて、パーツを見ていきましょう!
まずは、全体です。
パッと見ただけでも、非常に特徴的なシルエットをしていますよね。
胸と腰の部分の4つのポケットが、立体的に浮き出ているので、いかにもミリタリーという雰囲気を醸し出しています。
一方で、いかついミリタリーデザインでありながらも、読者の皆さんがご覧いただいた際に、そこまでギトギトのミリタリーアイテムという印象を受けなかったのではないでしょうか?
”デザイン的には” ガチめなミリタリーなんですが、なんか柔らかい雰囲気、というか。
これが、私が付き合うほどに惹かれていった点でもあります。
1つのアイテムとして、とてもバランスがいいんですね。
では一方の柔らかい印象を担保しているのは、何なのか?
それは、カナダ軍独特の生地感だと思います。
薄手の生地で、さらっと羽織れるようなイメージ。シボ感のある(凸凹・ざらざらしている)生地表面で、イメージしにくい方は、「夏のシアサッカー生地のもっともっと目が細かい版」と想像して頂けると近づけるかもしれませんね。
この生地が、薄いのとシボ感が相まって、張りがあるように見えつつ、実はふにゃっと柔らかいんです。ドレープができるまでの柔らかさ、ではないのですが、ハンガーにかけて振ってみた時に、フラフラ~とするあの感じがあるんですね。
ということで、
■ ラギッドさ・ミリタリー・男臭さ = マガジンポケットなどの デザイン
□ 柔らかさ・優しさ・爽やかさ = シボ感のある、生地感
この相反する特徴が、1着に詰まって、バランスをとっている。それが、カナダ軍MKⅡジャケットであり、魅力なんです!
ではまずは、肩回り。
先ほど紹介した生地感が見て頂けると思います。
実際触れてもさらりとして爽やかな生地です。ミリタリーものでは、これ系の生地を採用しているのは結構珍しいのでは?
先ほどから、生地感をほめまくりですが、1点だけデメリットが。
生地の軽さに比例して、生地の強度はあまり強くなさそうで、私の個体もワッペンをはがした後に穴が開いてしまっています。
ほかの個体を見たこともありますが、同じようにはがし跡に穴がありました。
この特徴は、MK-Ⅱジャケットの宿命なのかもしれませんね。
左肩に、小さめのカナダ軍の国章(刺繍ワッペン)が入っています。
メイプルリーフのデザインですが、ご存知の通り、本来の国旗であれば、赤色のデザインですが、ここでは、本体のオリーブグリーンに合わせる形で、大人しい色使いとなっています。
サイズも、他国のワッペン類と比較すると、かなり小ぶりで、上品です。
いかにも「オラオラ~!」って感じの押しの強さではなく、【静かに主張するタイプ】というか。
デンマーク軍も、似たような国章を使っているものがありますよね。
うちのジャケットについている、この国章はひそかなお気に入りポイントです。
カナダ軍の国章の下には、ワッペンがついていた跡が残っていますね。
部隊章だったのでしょうか?
襟元・フロント側。
非常にシンプルなレギュラーカラーの形式です。
ここも、シンプル故、色々なファッションとの組み合わせがしやすくなるポイントだと思います。
嫌味も出にくいですよね。
右胸マガジンポケット上には、ワッペン跡があります。
デザイン上の最大のポイントは、この胸ポケットではないでしょうか。
両胸に斜めにつけられた、マガジンポケット。
イタリア軍のミリタリージャケットなどでもみられる仕様です。
実際にマガジンを入れていたかどうか、確証はありませんが、入れていたとすると布に結構な負担がかかっていただろうことが想像されます。
ウエスト周りです。
ドローコードでウエストを締め込めるようにできています。
ドローコードは内側で締めるタイプではなく、外側に露出しています。
外側だと、匍匐前進などハードなシーンで邪魔になったり・傷んだりすることは無かったのでしょうか?
それとも、こちらのライトジャケットはあくまでインナーということで、もう一段外側にアウターを着用することを大前提に作られたジャケットなのかもしれません。
いずれにしても、ウエストドローコードのおかげで、ウエスト周りを引き締めることができ、わずかな差ではありますが、スタイル良く見せることができますね。
前立てのボタンは、比翼スタイルではなく、露出するタイプです。
これはこれで、このジャケットの特徴でもある、パラシュートボタンが前を閉めた際にも目立つので、好ましいですね。
次は、フロント、両腰についているフラップ付きのポケットです。
こちらのポケットも非常に特徴的。
このジャケットのイメージにおいて、大きく貢献しています。
まずは、マチが深く、折りたたまないタイプのポケットであること。
アメリカ軍のジャングルファティーグや、フランス軍のジャケットなどでは、ポケットのマチに折り目をつけていて、何もいれないときには、ポケットを畳み込んで薄く見せることができるものが多いのですが、こちらのMKⅡジャケットではあえて膨らませたままにしています。
結果、胸のマガジンポケットと合わせて、フロント側で4つのポケットが立体的に成立していることになります。
この4つのポケットが、このジャケットのワイルドな印象を強化してくれます。
よくよく見て頂くと、このポケットは、腰の前側(おへその前)についているのではなく、ちょっと腰(ウエスト)側に回り込んだ位置についているんです。
ポケットが大きなサイズが故、サイドにポケット位置をずらしているのか?それも謎ですが、他のミリタリーアイテムが完全に前身頃にポケットがあるスタイルなのと比較すると、どこか違うデザインにみえるのには、このポケット位置が一役買っていると感じています。
さて、腰ポケットの内側を見ていきましょう。
まずはポケットの、フラップ。
前の写真でもご覧いただいた通り、ボタンを閉めた状態で、ボタンが外に露出するスタイルになっています。
こちらも、ドローコードと同様で、痛みや引っ掛かりを避けるために、通常だと比翼で隠したりすることが多いと思いますが、カナダ軍の外に出す仕様は不思議。
イギリス軍のジャケットなども露出したタイプが多いので、イギリス軍の影響が強いのでしょう。
ボタンは、パラシュートボタンの形状。
パラシュートボタンは、通常のボタンと異なり、糸で縫い上げる運針ではなく、平たいコードを通す形で止めているボタン形式になります。
イギリス軍のミリタリーウェアによくみられるパーツですね。
コードで止めていることで、ボタン自体の強度アップ(外れにくい、割れにくい)と、コードの幅の中で、ボタンが前後に動くことができるので、留めた後も体の動きにフィットしやすい、という利点があります。
パラシュートボタンは、もっと日常の衣服に浸透してもよさそうな気がしますが、あまりそうはなっていない。ボタンパーツ自体や、縫製料が良いお値段がしてしまうのかもしれませんね。そうだとすると、贅沢な仕様なのでしょう。
パラシュートボタンによる強度のこともあって、ウェア外側に露出したままでOKという判断なのかも。
たしかに、中古市場で見ていても、普通の糸縫いボタンが割れたり・欠落したりというのは見ますが、イギリス軍のパラシュートボタンで、ボタンが無くなっているモノは、出合った経験がほとんどありません。
腰のポケット、内部のアップです。
ナイロンの生地で、ポケット内側が3つの部屋に仕切られています。
ポケット内部の仕様も、手に入れるまで気づかなかったポイント。
これ、地味に便利なんですよ。
マチがある大きめでソフトなポケットに、小さくて重いものを入れると、どうなります?
必ずポケットの底に位置して、ポケット全体を下に引っ張ることになる。つまり外から見ると型が崩れて見えるんです。
ですが、Mk-Ⅱジャケットには、内側の仕切りがあるおかげで、仕切り部分に入れておけば、体側に密着させることができ、ポケット全体がだらしなく見えないんです。
「どうてもいいんじゃ?」と思われた方も多いと思いますが、思った以上にこの影響は大きいですよ。
私は、購入後、着用して初めて気づき、小さく感動すらしてしまいました。
実際に着用していた兵士たちにとっても、移動時にはポケット内のアイテムの揺れを軽減してくれたでしょうから、便利だったことが想像できます。
袖元もパラシュートボタンを採用。
微妙なサイズ調整ができるのも、パラシュートボタンの魅力ですね。
これは、使ってみるまで分かりませんでした。
ボタンを閉めた状態で、ボタンを横に移動させて(ずらすことで)、サイズ調整できる。知ってました?
袖のパラシュートボタンが、横向きに取り付けてあるのがポイントです。
これがあれば、複数のボタンで調整、もしくはベルクロで調整、という必要がなくなるんですね。
非常に良い仕様だと思います。
MKⅡジャケットは、バックスタイルも雰囲気ありますね。
まずは腰のドローコードが目立ちます。
先述した、ウエスト部分のポケット。後ろから見ると、ポケット自体がサイド寄りについていることが見て頂けますね。
ドローコードの上下で、布地をつまんで少しシェイプしてあります。
このおかげで、ドローコードを使わなくとも、ウェストが絞り込まれて見えるはずです。
肩部分には切り替えがあったりと、バックスタイルも非常にバランスがいいと思います。
肩の角度も、エポレットはついているものの、比較的ソフトなラインを描きます。
例えば、アメリカ軍のM-65ジャケットのような、”マッチョ”なイメージにはなりにくいのが不思議です。
仕様と使い方が記載されている、大きめのラベルが、腰内側の部分についています。
ラベル部分は直接縫い付けてありますので、縫い目が外側から確認できます。
このあたりは、ラフさ・本物感を表現できるポイント!
カナダ軍MKⅡジャケット のサイズ感は?
それでは、着用してみましょう!
ベース、身長178cm・体重72Kgに対して、【7038】着用です。
羽織ってみると、こんな感じ(#^.^#)・・・
1着目、春のコーデ。
パーツ部分でご紹介した、フロント部分4つのポケットの立体感を感じて頂けると思います。
意外に、腰のポケットの膨らみ具合が、バランスよくありません?
パンツは、イタリア軍のスリーピングパンツを着用しています。
ジャケットが、比較的軽やかなので、明るいパンツと合わせたくなります。
袖部分も、ミリタリーウェアとしては、かなり細く見えますよね?
このあたりも街着として、ファッションに取り入れやすいポイントだと感じます。
こちらも、春・夏のスタイル。
ブルーのストライプのパンツと合わせてみました。
襟の開き具合なども、ワイルド過ぎず・上品過ぎず、とてもバランスが良い1着です。
1着目と同様、ウエストあたりのボタンのみ閉めて着用しています。
ドローコードと合わせて、ウエストを強調した雰囲気になります。
とはいえ、もちろん軍モノですから、狭っ苦しいということはありませんのでご安心を。
こちらは、秋のスタイル。
ベルギー軍のチノパンツとブラウンの革靴と合わせています。
ボタンダウンのシャツをインナーにしていますが、シャツ類との合わせも非常にオススメ。
私は、シャツ+タイ+ウールのパンツにMKⅡジャケットというスタイルで、お仕事に向かうこともあります。
秋のお散歩には、このくらいの装備が一番。
ポケットがしっかり収納力があるので、手ぶらOKなのもポイント!
マガジンポケットには、Wifiが入っています。
少し寒さを感じるようになってきたら、ジャケパンスタイルに、MKⅡジャケットを薄手のコートとして使うのもありですよ。
朝だけ寒い日ってありますよね。そういう日はなるべく軽めの羽織りものを使いたいもの。
そんな時にもMKⅡジャケットの出番です。
MKⅡジャケットはそれほど丈が長くないので、インナーのジャケットとの丈感だけは(ジャケットが飛び出さないように)お気を付けを。
■ まとめ(カナダ軍MKⅡジャケット)
さて、今日は、カナダ軍MKⅡジャケットをご紹介いたしました。
ミリタリーデザインのワイルドさと、ソフトな生地の爽やかさ、両面を兼ね備えた、ある意味パーフェクトなジャケットです。
正式名称にコート、と入っているように、いろんなファッションに羽織り、合わせることができると思います。
薄く・軽い素材感ですので、真冬と真夏以外、長い季節で着用できるのも魅力です!
次に着られる季節がくるのが、楽しみですものね。
そんな、カナダ軍のMKⅡジャケットですが、球数はかなり少なく、古着屋さんで合う機会もレアだと思います。
とはいえ、皆さんに一度は袖を通してみて欲しい。
着用してみないとわからない魅力がたっぷりの1着ですから!
気になった方は探してみてくださいね!
それではまた!
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