こんにちは、虚空蔵です。
今日ご紹介するのは、アメリカ軍の OG-108 ウールシャツ。
いかにも寒さに強そうな、厚めのウール生地のシャツです。
それもそのはず、朝鮮戦争の寒さ対策のために、アメリカ軍の兵士たちに支給されたのがこのシャツ。
秋冬に重宝するアイテムなのは間違いないですよね。
アウターとしてシャツジャケットとしても、インナーとしてシャツとしても、かなり使いまわせる1着なんです!
それでは早速、詳しく見ていきましょう!
■ アメリカ軍を代表する、古き良き寒冷地シャツ!
1950年に開戦した朝鮮戦争の際、主にアメリカ軍の陸軍に支給されていたウールシャツ、それがOG-108ウールシャツ。
朝鮮戦争で使われたことで、別名 コリアシャツ とも言われています。
また、厚手の毛布のような生地であることから、またの名を ブランケットシャツ とも呼ばれました。
極寒の朝鮮半島での戦いを兵士たちが耐え抜くため、名作M-51シリーズとともに、防寒のための装備として愛用されたのがこのシャツ。
たしかに、シャツというより、毛布かも。
今回ご紹介するOG-108ウールシャツは、前期型。
特徴的にとがった襟先、ペンポケット付きの胸のフラップポケット、クロスされた肩のヨーク、背面裾部分のダーツなど、朝鮮戦争期のOG-108のディテールは非常に独特。
多くのファッションブランドのデザインの元にもなっていて、似たようなデザインのシャツが今も続々と生産されています。
しかし、一見似ていても、デザインソースになっている本家本元のOG-108ほどの厚めのウールを使用しているモノは少ないと思います。
その点は、ミリタリーウェア実物の魅力と言えますね。
厚手のウール生地の寒冷地仕様の装備ですので、ファッション面では、シャツというよりもジャケット感覚でも着用頂ける1着となっています。
■ うちの、OG-108ウールシャツ は・・・?
うちの、OG-108ウールシャツ、は・・・。
- 製造年不明
- サイズ:M
- 製造メーカー不明
という1着です。
襟の内側・首の付け根あたりに、タグがプリントされる形で付いているのですが、こちらの個体はデッドストックではありませんので、手に入れた時点では、プリントがすべて剥離していました。
そのため、詳しい仕様はわかりません。
ですが、サイズ実寸から、Mサイズであることは判別できました。
また、各種デザインから、OG-108ウールシャツの【前期型】であることも。
【前期型】は、主に50年代に納品。
【後期型】が、主に60年代に納品されてきたようです。
とすると、このシャツももう60年以上前の品なのでしょうか。
確かに粗さはありますが、もともとの生地の強さからか、それほどの痛みは感じられません。
古着屋で並んでいたとしても、ウールが固くなっていることもなく、シャツ生地が薄くなっていることも少ないので、きれいな部類と言えるのではないでしょうか?
元々寒冷地仕様のため、このシャツを直に着用する、というよりもこの下にアンダーシャツなどを着こみ、オーバーシャツとして着用したでしょうから、痛みも少ないのかもしれません。
■ OG-108ウールシャツ はシンプルデザインの着る毛布!
OG-108ウールシャツ のパーツは?
さて、パーツ詳細をみていきましょう!
季節感を感じさせる、とても深いオリーブグリーンが特徴的な、厚手ウール生地。
ウールにナイロンを混紡した厚手の生地です。
メルトン生地のような縮織加工が施されていて、寒冷地仕様の装備ならではの高い保温性が一番の魅力です。
濃い目のオリーブドラブの色味が、かなり男性的で力強く、ラギットな雰囲気を与えてくれます。
襟のあたりから、肩にかけて斜めに降りてくるラインも、正面から見た時のOG-108の大きな特徴。
これは、後期型でも継承された特長でもあり、後述する後ろ側肩ヨークと一体の仕様で、非常に独特なラインを形成しています。
右ポケットの上には、ネームタグが。
こちらのシャツの持ち主は、JOHNSONさんだったようです。
襟先のデザインは、かなり鋭角にとがった形式。
OG-108が採用された時代を感じさせるデザインです。
本来なら、襟の内側・首の付け根あたりに、タグがプリントされる形で付いているのですが、こちらの個体はデッドストックではありませんので、手に入れた時点では、プリントがすべて剥離していました。
そのため、仕様・年代諸々が確認不可能な状態です。
タグプリントは、白文字のものもありますし、オレンジバージョンもあります。
製造メーカーによって、仕様は異なっているようです。
フロントはボタンで開閉するスタイル。
ボタンは茶色の平ボタンです。
デザイン含めてかなり渋い。
このシャツの大人感を一段アップさせていると感じます。
ボタンホールが大きめにとってありますので、とても開閉しやすくなっております。
寒冷地仕様が前提なので、グローブでも開閉しやすい特徴なのかもしれません。
左ポケット上には、USARMY章が付いていますね。
胸のポケットはフラップポケットスタイル。
ボタンは比翼ではありませんので、閉じた時にはボタンが露出するようになっています。
左胸のフラップポケット内側にはペンポケットも付いています。
また、ペンを差し込めるように、フラップポケット上部にはペン刺し用のホールが作られているモノもあるようですが、私のOG108はフラップ部のホールはありませんでした。
袖元の仕様です。
カフスには、ボタン一つついているタイプ。
複数ボタンではありませんので、調節はしにくいです。
何かの上から羽織る、オーバーシャツだと考えれば、インナーを工夫すれば問題なさそうですね。
特徴的なクロスされた、肩ヨークは生地が二重になって頑丈なつくりになっています。
フロントでは、襟元から肩の方へ斜めにスライドするように降りてくるデザインになっています。
シャツでヨークがあるものでも、斜めに降りてくる形式は少ないので、このデザインもOG-108シャツの魅力の一つと言えるでしょう。
1960年代からのOG108後期型では、背面の二重の肩ヨークは廃止されました。
ですので、背面肩ヨークのデザインは、前期型だけの特徴なのです。
OG108ウールシャツならではのディテールが、ここ、クロスされた肩ヨーク、ということですね。。
襟下の部分でクロスしているのが、大変特徴的。
肩部分においては、生地が2重になっているため、リュックや装備を背負った際の摩擦に対する耐久性が高い、頑丈な仕様です。
背面の背中中央から裾部分にかけて、ダーツが2本入り、シェイプされています。
シンプルなシャツではありますが、シャツジャケットとして着用する時など、こうした若干のシェイプは、地味にスタイル良く見せてくれる効果があると思います。
さて、OG-108のパーツをざっと見てきました。
生産年代はかなり古い部類に入りますが、生地の厚さ、丈夫さからか、中古でもそれほど状態の悪くない個体が多いようにも思います。
その点でも、長くお付き合いできる1着になるでしょう!!
ただし、アメリカの家庭で使用されていた中古品は要注意!
乾燥機で乾燥しちゃうご家庭が多いらしく、OG108も縮んでしまったものが結構あるようです。
できれば、試着して買うか、もしくは実物サイズを詳細確認したうえで購入したいですね。
OG-108ウールシャツ の着用感は?
それでは、着用してみましょう!
ベース、身長178cm・体重72Kgに対して、【 M 】着用です。
羽織ってみると、こんな感じ(*^-^*)・・・
インナーにパーカーなどを合わせて、OG-108をアウターのシャツとして使うのもよいですね。
身幅にはゆとりがあるシャツですので、インナーにパーカー程度ならば、問題なく収容できます。
OG108は、オリーブグリーンの色味からも、なんとなく秋の雰囲気を感じてしまいますね。
冬になりヘビーアウターが活躍する前の涼しくなってきた季節は、アウターとして、十分な機能を備えている一着です。
2着目は、
イギリス軍ロイヤルエアフォース RAF No2パンツ と合わせてみました。
OG-108がかなり土臭い雰囲気ですので、他のパーツはキレイ目に抑えた方が、全体的にまとまりやすい気がします。
特に、大人のおじ様たちは(私も含めて)、キレイ目合わせの方が安心かと。
同じアメリカ軍の、OG-107と同じような、シャツジャケット的な使い方ができますね。
暖かい時期はOG-107、寒い時期はOG-108と、季節を分けて着用するのも楽しみですね!
最後は、オックスフォードの白シャツと合わせてみました。
秋口、里山を散歩する時に、このスタイルで行きましたが、途中の山風にもOG108のおかげでたじろぐことがありませんでした!
真冬になれば、OG108をインナーシャツとして、ヘビーアウターで外をカバーするような着用スタイルが良いですね。
アメリカ軍 N-3Bのフォリッジグリーンや、USNAVY ステンカラーコート、オランダ軍のソフティジャケットなどのインナーとしても、バランスよく決まりそう。
という訳で、かなり使い勝手が広い、1着でお得なアイテムですよ!
(あとは、自宅でダラダラ過ごす時にもオススメ!)
■ まとめ (OG108ウールシャツ)
ということで、アメリカ軍のOG-108ウールシャツをご紹介しました。
数年前まではよく見かけていたのですが、近年改めてこのシャツの魅力に気づいた人が多いのか、中古市場で見ることが少なくなってきています。
みんな、1着持っておこうと購入しちゃったんでしょうかね。
ほぼ製造から半世紀以上経ったものばかり、ですが、中古市場でも60年以上前のミリタリーウェアとは思えないような、きれいな個体が多いのではないかと思います。
これは、ウールの汚れをはじきやすい特性によるところが大きいのではないでしょうか?
ウールと言えば、吸放湿性・保温性だけではなく、防臭性や防汚性も備えた、優秀な素材です。
それらの特性を存分に生かしたのが、OG-108ウールシャツ。
ぜひ、みなさんのコレクションにも1枚持っていて損はない、1着だと思います。
チャレンジしてみてくださいね!
ではまた!
コメント