こんにちは、虚空蔵です。
今日ご紹介するのは、アメリカ軍のユーティリティジャケット。
襟付きのブルゾンタイプのジャケットですね。
USNAVYで使用されていたものと推測され、ジャンバースタイルではあるものの、
意外と防寒性も高く、ミリタリーらしからぬ色味もあって、冬場は重宝するアイテムの一つです!
それでは早速、詳しく見ていきましょう!
■ ユーティリティの名に違わぬ、使いやすさ!
アメリカ海軍で支給されていたユーティリティジャケット。
船の中で使われることもあったのでしょうか?
かなりショート丈で、アメリカ軍のものとしては、比較的コンパクトなサイズ感。
デッキジャケットにも似たようなシルエットで、表の生地はバリっとした張りがある、ポリ&コットンの生地。
撥水性もあったようです。
中綿も入っていて、手首には結構きつめの編地のカフ(袖口)やチンストラップがついているので、ショート丈ながら、意外と防風性・防寒性も高いです。
デザイン的にも非常にシンプルで大人っぽく、なにより、海軍らしい黒に近い濃いネイビーが、どんなインナーともコーディネートしやすい一着です!
コートはもたつきそうで苦手!という方には、特にお勧めしたいですね!
■ うちの アメリカ軍 ユーティリティジャケット は?
うちの、アメリカ軍 ユーティリティジャケットは・・・
- 1996年製造
- サイズ : MEDIUM-SHORT
- UNICOR,MIAMI,FL. 製造
という品です。
タグを見ていくと、まずは、正式名称 JACKET,UTILITY,UNISEX の記載。
そして、素材の記載。
外側は、65%ポリエステル・35%コットンの、コットンポリ素材ですね。
そして、コントラクトナンバー・メーカー・洗濯情報 と続きます。
1996年製、サプライヤーは、UNICOR,MIAMI,FL でしょうか。
襟元のタグには、サイズ表記。
このジャケットは、ミディアムショートです。
身幅Mサイズで、丈は少し短め、という1着ですね。
最後にNATOのストックナンバーが記載されています。
ナショナルストックナンバーインフォで調べてみたところ、こんな感じでした。
このジャケットで使われている生地が「ブラック385」という生地なんですね。
「ブラック357」は皆さんよくご存じだと思いますが、ブラック385には初めて気づきました。
water repellent とありますので、撥水加工がされているよう。
フロントはスライドファスナー、ニットのリストカフが袖口についていて、ウエストにもリブが。
首元にハンガーループ、前身頃左右にスラッシュポケット、内側にはパッチポケットがついた
ミディアムショートサイズ と記載されています。
■ シンプルデザインな大人のネイビージャケット!
ユーティリティジャケット のパーツは?
さて、パーツの詳細を見ていきましょう!
フロントからの初見はこんな感じ。
M-S で、丈がショート丈なので、基本仕様以上にショートブルゾンの雰囲気が強く出ています。
袖の長さに比べて、着丈部分が非常に短い仕様です。
シンプルな襟付きのスタイル。
襟は、リブではなく、レギュラーカラーのスタイルです。
腰にはリブがつけられ、風の侵入を防ぐようになっています。
リブも同色なので、主張は抑えめです。
両ウエストには、スラッシュポケットを装備。
若干傾きが付けられており、手を差し込みやすく、ストレスがありません。
袖口を外から見たところ。
全体を構成している布地で作られており、シンプルな筒袖のように見えます。
肩はラグラン袖のつくりになっており、肩の圧迫感や重さを感じることはありません。
右胸には名前プレートの縫い付け。
これはSODERQUISTさんの一着だったのでしょうか。
袖の中には見えないように、リブ袖が!
インナーカフ仕様になっています。
外側の筒袖の方が長いので、通常使用していてリブ袖はほとんど見えません。
これがあるおかげで、風の侵入を防いでくれるので、防寒性が非常に高まりますね。
着用して、筒袖をめくるとこんな感じ。
リブ袖が隠れるように作られているので、結構リブ袖は通常のMA-1などより、肘側に寄っています。
なので、腕時計があると、時計の上を締め付けてくる感覚かも。
時計は指側に出して、腕だけをリブで締めるのが正解なのか?
厚みのある時計だと、ちょっと迷うところかもしれません。
フロントはジッパーを閉めて、その上から風防のフラップをベルクロ留めする、2重の構えになっています。
やはりNAVYだけに、甲板での防風対策の意味もあるのでしょうか?
私の持っている個体は、一番下のベルクロの、メス側(柔らかい方)が毛羽立ってしまっていて、
ベルクロが着脱しにくくなってしまっています。
ジッパーを閉めてしまうと、ほぼ自動的にくっついてしまうので、長く使って行くとその点は不便かな。
あとは、ベルクロありのミリタリーウェアなら、あるあるですが、インナーにニット(もしくは似たモノ)を入れた時に、ベルクロがインナーに噛みつく恐れがありますね。
なので、インナーに繊細なものを持ってくるのは、よしておいた方が良いかもしれません。
私は、薄手のマフラーにかみつかせてしまいました(泣)。
シンプルにコットンのロンTとかがベストかも。
(あとオス側についた糸くずが取れにくい!!)
フロントを締め切ったときの首元は、こんな雰囲気。
襟を立てると、ぐるりと首元をカバーしてくれるように作られています。
左襟に襟を留めるチンストラップのパーツが畳まれています。
チンストラップは、フロントが空いている場合、このように装備されています。
通常使用している場合、つまり襟が寝ている場合でも、それほど邪魔にはなりません。
この写真は肩を前方上部から写したものですが、ラグラン袖のラインが良くわかると思います。
チンストラップ。
通常はこのように、左首側に巻き付くように、収納されています。
ラグラン袖の縫い目は、前後ともにこのようなラインで縫われています。
防滴の性質もあるからか、ここの縫い方は非常に丁寧です。
首のチンストラップを締めるとこのように。
M-65とまでは(襟に厚みがないので)いいませんが、間違いなく冬の雰囲気に。
マフラーいらずで、想像以上に便利!
ちょいとコンビニまで、といったシーンで、「でも、思った以上に風が強い!」なんて時には、
襟を立ててパッとチンストを締めるだけで防寒OKです!
背中側です。
フロント同様(それ以上に)非常にシンプルなスタイルです。
エポレットなし、またラグラン袖で肩部分での縫い目がなく、さらにはブラックに近いネイビーカラーですので、非常に大人っぽい一着です。
私のジャケットは布地が使用(洗濯だと思いますが)によって、若干白っぽくなってきていますので少し上品さの点では足りませんが。
デッドストックのユーティリティジャケットを、ダンディなおじさま方がイギリスのブルゾン風に着用されてたらめちゃくちゃ恰好いいでしょうねぇ!
腰のリブ部分で、布のマチがかなり取ってあるのが見られます。
これのおかげで、ボディ部分は、結構ゆったり。
腰リブの部分はぎゅっと狭まるようなスタイルになります。
もう一度。
ね、シンプル×上品でしょ?
後ろ姿だけでは、ミリタリーアイテムと気づかない方も多いのではないでしょうか?
リブ部分、後ろからです。
本体のマチの作り方が良くわかります。
リブは幅も広く、かなりしっかりしたパーツが使われています。
私の持っているユーティティジャケットは、使用期間も長いのではないかと思われまして、ボディのコットンポプリンの生地が若干退色しつつあります。
特に先端部分は、上の写真の襞の部分のように、洗濯のダメージなのか、白っぽくなってしまっている箇所がみられます。
通常ミリタリーアイテムでよくみられる、オリーブドラブ色の布やカモ柄だと、こうしたダメージも気にならない方が多いのでは?と想定しますが、ブラック寄りの生地だけにダメージ感が気になる方もいらっしゃるかも?
私は、”味” だと思っていますが(笑)。
背面側から、肩部分のアップです。
後方から見た肩部分は、ラグラン袖のデザインになっています。
これのおかげで、非常に肩回りは動かしやすい印象です。
なで肩・女性の方などでも、フィットさせやすいかと思います。
フロントのジッパーは、日本が誇るYKK製のブラスジッパーです。
安心感が違いますよね。
持ち手の部分は、角ばっており、アメリカ軍っぽい雰囲気を残しています。
サイズは小さめなので、武骨というほどではないのですが、ゴールドの色味が良い具合にアメリカ軍モノらしさを、主張してくれます。
内側です。
首元にサイズ標記の小さなタグ。
その下に、製品名などの記載されたメインタグが付けてあります。
襟もとにはハンガーループが装備されていますね。
右身頃の内側には、インナーポケットが。
携帯程度ならすっぽり収まるサイズ。
落としたくないものを入れるポケットとして、意外とあると便利な装備ですね。
インナー側は、
玉ねぎ型キルト風に縫われています。
M-65ジャケットのライナーでよくみられる縫製ですね。
(ライナーの場合は、横方向に玉ねぎが寝ていたと思いますが)
ユーティリティジャケット の着用感は?
それでは、着用してみましょう!
ベース、身長178cm・体重72Kgに対して、【 M-S 】着用です。
羽織ってみると、こんな感じ(*^-^*)・・・
1着目は、ブラックジーンズと革靴で。
あまり工夫しなくとも、ジャケットがブラック寄りなのでまとまりやすいですね。
着丈が短めなので、シングルライダースやGジャンの感覚で気軽に選べます。
ネームがついていない1着や、デッドストックの1着ならば、さらに大人っぽく着こなせると思います。
2着目は、
イタリア軍のパラシュートパンツと合わせてみました。
インナーは薄目のタートルネック、足元は茶の革靴です。
腕時計が見えていますので、時計はリブの外に出して着用していたようですね。
フロントを全閉めすると、ベルクロのメス側が見えなくなるので、よりシンプル。
最後は、ドイツ軍のモルスキンパンツと合わせてみました。
おじさまの散歩をイメージして(笑)。
インナーにシャツスタイルも合わせやすいと思います。
ですが、ビジネス寄りの白シャツだけは避けた方がよいかも。
作業服っぽく見えてしまうかもしれません。
■ まとめ (アメリカ軍 ユーティリティジャケット)
ということで、アメリカ軍のユーティリティジャケットをご紹介してきました。
こちらの1着も、古着屋さんでは、時々見ることがありますが、さすがにデッドストックは見ることが無くなってきたように思います。
これと似たサブマリンジャケットや、このユーティリティジャケットも今後貴重な品になってしまうのかもしれませんね。
布地のブラックの色味が色落ちしていない1着が、もし見つかったら、手に入れて頂きたい!
ベルクロ部分がへたってしまっている個体もあるので、そこだけ注意ですかね。
もちろん付け替えはできると思いますが、まぁできれば本物にこだわりたいところですもの!
(ですよね!?)
このユーティリティジャケットで、大人ミリタリースタイルをお楽しみください!!
それではまた!
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